経営事項審査をご検討の事業者様へ
当事務所は、官公庁などが発注する工事への入札に参加する建設事業者様から経営事項審査申請手続きや入札参加資格申請手続きの代理申請をご依頼を頂き、注力業務の一つとして取り組んでおります。
経営事項審査申請や入札参加資格申請の手続きにつきましては、事業者様ごとの特性や目標を理解し、細かい点にも留意しながら手続きを行っております。
経営事項審査とは
建設事業者を点数評価(総合評定値)する手続き
経営事項審査とは、官公庁などが発注する工事の受注を目指す建設事業者様が、建設業許可を受けている行政庁から「建設事業者としての客観的な評価として、多角的な点数評価(総合評定値)を受ける」手続きです。
総合評定値は、まず審査対象の5つの項目のについて、所定の計算式によって、それぞれ点数を算出します。(各審査項目の素点)
次に、5つの審査項目の素点に所定の割合(X2とWは0.15・Yは0.20・X1とZは0.25)を掛け、審査項目ごとの点数を算出します。さらに、審査項目ごとの点数を足して、総合評定値(P点)を出すことになります。
経営事項審査の審査項目
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申請工事業種の2期平均又は3期平均完成工事高(X1)
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審査対象単期又は2期平均の自己資本額・営業利益額(X2)
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審査対象決算期分の経営状況分析(Y)
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技術力:技術職員と元請完成工事高(Z)
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その他社会性(W)
仮に、5つの審査項目の素点が全て700点(X1の素点が700点・X2の素点が700点・Yの素点が700点・Zの素点が700点・Wの素点が700点)の場合
X1(175点)+X2(105点)+Y(140点)+Z(175点)+W(105点)で、総合評定値(P点)は、700点となります。
仮に、5つの審査項目の素点が全て800点(X1の素点が800点・X2の素点が800点・Yの素点が800点・Zの素点が800点・Wの素点が800点)の場合
X1(200点)+X2(120点)+Y(160点)+Z(200点)+W(120点)で、総合評定値(P点)は800点となります。
仮に、5つの審査項目の素点が全て最高点数(X1の素点が2,309点・X2の素点が2,280点・Yの素点が1,595点・Zの素点が2,441点・Wの素点が2,073点)の場合
X1(577点)+X2(342点)+Y(319点)+Z(610点)+W(311点)で、総合評定値(P点)は2,159点となります。
仮に、5つの審査項目の素点が全て最低点数(X1の素点が397点・X2の素点が454点・Yの素点が0点・Zの素点が456点・Wの素点が-1,837点)の場合
X1(99点)+X2(68点)+Y(0点)+Z(114点)+W(-276点)で、総合評定値(P点)は6点となります。
経営事項審査を受けてる事業者様は、ほとんどの場合で経審の次に入札参加資格申請があります。
事業者様にはそれぞれ、官公庁等の入札参加資格の目標とする格付け(ランク)がある場合が多いです。このため、事業者様が目指す官公庁等の格付けを元に、経審で目標とする総合評定値(P点)を設定することになります。
経営事項審査の意義
経営事項審査は、建設業法令で定められた統一的な審査基準によって建設事業者の状況を多角的に点数化するものですので、工事を発注する官公庁から見ると、経営事項審査の点数によって建設事業者の状況を判断できることになります。
経営事項審査の内容について、WEBページでご案内できる事項には限りがありますので、ここでは主に定められている内容についてご案内をいたします。
申請工事業種ごとの完成工事高(X1点)
完成工事高評点(X1点)は、経審申請建設業者の申請工事業種ごとの直近2期平均又は直近3期平均の完成工事高を定められている算式によって点数化します。
完成工事高を2期平均とするか3期平均とするかについては、申請事業者が選択できます。尚、2期平均を選択した場合は、経審申請業種の全てが2期平均となり、2期平均と3期平均の併用はできません。
完成工事高評点(X1点)の算出サンプル(X1点を700点及び800点)
X1の素点で700点(P点の構成値で175点)を取るためには、申請工事業種の平均完成工事高は90,000千円となります。
(計算式は、22×完成工事高90,000÷20,000+601=700点)
X1の素点で800点(P点の構成値で200点)を取るためには、申請工事業種の平均完成工事高はおおよそ220,000千円となります。
(計算式は、28×完成工事高220,000÷50,000+678=801点)
完成工事高評点(X1点)が経営事項審査全体に占めるウェイト
完成工事高評点(X1点)が経営事項審査全体に占めるウェイトは、25%となっています。
X1の点数が700点の場合は、700×0.25で、総合評定値(P点)構成値は、175点となります。
X1の点数が801点の場合は、801×0.25で、総合評定値(P点)構成値は、200点となります。
X1の点数が2,309点(最高点数)の場合は、2,309×0.25で、総合評定値(P点)構成値は、577点となります。
X1の点数が397点(完工高が0)の場合は、×0.25で、総合評定値(P点)構成値は、99点となります。
完成工事高の業種間の振替
完成工事高については《業種間の振替》ができる仕組みがあります。一部の専門工事の完工高を一式工事(土木・建築)の完工高に振替て、一式工事の完工高を上積みすることや一部の専門工事業種の間で完工高を振替えることが可能です。
尚、完成工事高の業種間の振替には、振替元の工事業種についても建設業許可を受けている必要があることや、振替元の工事業種は経営事項審査を受けられない制約があります。
自己資本額および平均利益額(X2点)
自己資本額および平均利益額評点(X2点)は、経審申請建設業者の直近決算期又は直近2期平均の自己資本額評点(X21)と、直近2年平均の営業利益額評点(X22)の2つの指標を定められている算式によって点数化します。
自己資本額および平均利益額評点(X2点)は、自己資本額評点(X21)が5割(0.5)で、平均営業利益額評点(X22)も5割(0.5)の構成となっています。
自己資本額および平均利益額評点の算出サンプル(X2点を700点)
まずは、自己資本額評点(X21)と平均営業利益額評点(X22)をそれぞれ算出します。
X21の素点で700点以上を取るためには、自己資本額は、おおよそ82,000千円となります。
(計算式は、16×自己資本額82,000千円÷20,000+635=700点)
X22の素点で700点以上を取るためには、平均営業利益額は、55,000千円となります。
(計算式は、12×平均営業利益額55,000÷10,000+634=700点)
次いで、自己資本額評点(X21)の5割と平均営業利益額評点(X22)の5割を足します。
X21の700点の5割(0.5)とX22の700点の5割(0.5)を足し、X2点は700点となります。
0.5×X21が700点+0.5×X22が700点=700点
自己資本額および平均利益額評点(X2点)が経営事項審査全体に占めるウェイト
自己資本額および平均利益額評点(X2点)が経営事項審査全体に占めるウェイトは、15%となっています。
X2の点数が700点の場合は、700×0.15で、総合評定値(P点)構成値は、105点となります。
X2の点数が2,280点(最高点数)点の場合は、2,280×0.15で、総合評定値(P点)構成値は、242点となります。
X2の点数が454点(最低点数)の場合は、454×0.15で、総合評定値(P点)構成値は、68点となります。
経営状況評点(Y点)
経営状況評点(Y点)は、建設業者の財務状況について、国土交通省に指定された分析機関に経営状況を依頼し、経営状況分析評点を得ます。
経営状況分析で分析評価対象となる指標
経営状況分析では、まず、純支払利息比率(X1)・負債回転期間(X2)・総資本売上総利益率(X3)・売上高経常利益率(X4)・自己資本対固定資産比率(X5)・自己資本比率(X6)・営業キャッシュフロー(X7)・利益剰余金(X8)の8つの指標について、それぞれの指標値を算出します。
8つの指標のそれぞれの計算式は、個別に下記でご案内するものになります。
次に、8つの指標値を定められている計算式で、経営状況点数(A)を算出します。
経営状況点数(A)=-0.4560×純支払利息比率指標値(X1)-0.0508×負債回転期間指標値(X2)+0.0264×総資本売上総利益率指標値(X3)+0.0027売上高経常利益率指標値(X4)+0.0011×自己資本対固定資産比率(X5)+0.0089×自己資本比率(X6)+0.0818×営業キャッシュフロー指標値(X7)+0.0172×利益剰余金指標値(X8)+規定値0.1906
さらに、経営状況点数(A)を定められている算式で計算し、経営状況評点(Y)を算出します。
経営状況評点(Y)=規定値167.3×経営状況点数(A)+規定値583
純支払利息比率:X1
純支払利息比率の指標は、実質的な利息負担額(支払利息-受取利息配当金)が、売上高に対して、どのくらいの比率になっているかを評価する指標です。
純支払利息比率=実質利息負担額(支払利息-受取利息配当金)/売上高×100 |
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最も高評価となる上限値が-0.3%で、最も評価が低くなる下限値が5.1%
売上高が1億円(100,000千円)と仮定して、
純支払利息が50万円(500千円)の場合の純支払利息比率は、0.5%
純支払利息が500万円(5,000千円)の場合の純支払利息比率は、5%
有利子負債が少ない事業者や、支払利息よりも受取利息・配当金が多い事業者の評価が高くなり、逆に支払利息額が売上高の約5%あるような下限値に近い事業者は低評価となります。
売上が分母となるため、支払利息が同額で売上高が異なる比較の場合は、売上が高い方が評価が高くなります。経営状況評点(Y点)のなかでは、最も影響が大きい指標です。
負債回転期間:X2
負債回転期間の指標は、負債総額(流動負債+固定負債)が月商売上額(売上高÷12)の何カ月分になっているかを評価する指標です。
負債回転期間=負債(流動負債+固定負債)/売上高÷12 |
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最も高評価となる上限値が0.9ヵ月で、最も評価が低くなる下限値が18.0ヵ月
売上高が1億2千万円(120,000千円)と仮定して、
負債が5千万円(50,000千円)の場合の負債回転期間は、5月
負債が1億円(100,000千円)の場合の負債回転期間は、10カ月
売上高に比べて、負債が少ない(負債回転期間が短い)ほど高評価となります。
総資本売上総利益率:X3
総資本売上総利益率の指標は、総資本(負債合計+純資産合計)に対して、どのくらい売上総利益(売上-売上原価)を獲得したかを評価する指標です。
総資本額は、2年平均額を用い、総資本額の2年平均額が3,000万円に満たない場合は、3,000万円として計算します。
総資本売上総利益比率=売上総利益/総資本(2期平均)×100 |
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最も高評価となる上限値が63.6%で、最も評価が低くなる下限値が6.5%
売上総利益がが1億円(100,000千円)と仮定して、
総資本(2年平均)が2億円(200,000千円)の場合の総資本売上総利益率は、50%
総資本(2年平均)が10億円(1,000,000千円)の場合の総資本売上総利益率は、10%
総資本の額は、額が小さい方が評価が上がりますので、総資本のうち負債について、借入金がある場合の借入金の返済や決算前に支払可能な工事未払金や買掛金等は支払ってしまうこと等により、負債額を減少する取組みが有効です。
決算が4月末や5月末の事業者は、年度末である3月末までに完工した案件の完成工事未収入金の入金や工事未払金の支払が完了していることが多いため、3月末決算である場合よりも総資本の額が小さくなりこの指標に関してプラスに作用すると考えられます。
売上総利益については、売上に対して完成工事原価の適正化を図ることが要ですが、昨今の材料費の上昇や施工に携わる人件費(労務費と経費のうち人件費)の上昇などを踏まえますと、適正価格での受注をする営業努力が重要と考えられます。
売上高経常利益率:X4
売上高経常利益率の指標は、売上高に対して、どのくらい経常利益があるかを評価する指標です。
売上高経常利益率=経常利益/売上高×100 |
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最も高評価となる上限値が5.1%で、最も評価が低くなる下限値が-8.5%
売上高が1億円(100,000千円)と仮定して、
経常利益が500万円(5,000千円)の場合の売上高経常利益率は、5%
経常利益が△100万円(△1,000千円)の場合の売上高経常利益率は、-1%
当該事業年度の収益性を評価します。
自己資本対固定資産比率:X5
自己資本対固定資産比率の指標は、固定資産(機械・車両・建物など)の取得が、どのくらい自己資本(純資産合計)により調達できているかを評価する指標です。
自己資本対固定資産比率=自己資本/固定資産×100 |
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最も高評価となる上限値が350.0%で、最も評価が低くなる下限値が-76.5%
固定資産が5千万円(50,000千円)と仮定して、
自己資本が1億円(100,000千円)の場合の自己資本対固定資産比率は、200%
自己資本が5千万円(50,000千円)の場合の自己資本対固定資産比率は、100%
固定資産額に対して、自己資本額が多いほど高評価になります。
自己資本額が同額で比較する場合、固定資産額が少ないほど高評価になります。
自己資本比率:X6
自己資本(純資産合計)が総資本(負債合計+純資産合計)に占める割合を評価する指標です。(負債への依存度を評価する指標です。)
自己資本比率=自己資本/総資本×100 |
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最も高評価となる上限値が68.5%で、最も評価が低くなる下限値が-68.6%
自己資本が5千万円(50,000千円)と仮定して、
総資本が1億円(100,000千円)の場合の自己資本比率は、50%
総資本が2億円(200,000千円)の場合の自己資本比率は、25%
自己資本に対して、総資本が少ない(負債が少ない)ほど高評価になります。
営業キャッシュフロー:X7
キャッシュフロー(2年平均)の大きさを1億円単位で評価(絶対的評価)する指標です。
営業キャッシュフロー=営業キャッシュフロー(2年平均)/1億円 |
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最も高評価となる上限値が15.0・最も評価が低くなる下限値が-10.0
営業キャッシュフロー=経常利益+減価償却費±引当金増減額-法人税住民税および事業税±売掛債権増減額±仕入債務増減額±棚卸資産増減額±受入金増減額の1億円に対する評価のため、規模の大きな事業者に有利な指標となっています。
利益剰余金:X8
内部留保(利益剰余金)の大きさを1億円単位で評価(絶対的評価)する指標です。1億円に対する評価のため、規模の大きな事業者に有利な指標です。
利益剰余金=利益上拠金/1億円 |
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最も高評価となる上限値が100で、最も評価が低くなる下限値が-3.0
経営状況評点(Y)が経営事項審査全体に占めるウェイト
経営状況評点(Y)が経営事項審査全体に占めるウェイトは、20%となっています。
Yの点数が700点の場合は、700×0.20で、総合評定値(P点)構成値は、140点となります。
Yの点数が1,595点(最高手数)の場合は、1,595×0.20で、総合評定値(P点)構成値は、319点となります。
Yの点数が0点(最低点数)の場合は、0×0.20で、総合評定値(P点)構成値は、0点となります。
技術職員数および元請完成工事高(Z点)
技術職員数および元請完成工事高評点(Z点)は、建設事業者の技術力の評価として技術職員と、元請としてマネジメント能力(元請工事の完成工事高)の2つの指標を定められている算式によって点数化します。
技術職員数および元請完成工事高評点(Z点)は、技術職員評点(Z1点)が8割(0.8)で、元請完成工事高評点(Z2点)が2割(0.2)の構成となっています。
技術職員数および元請完成工事高評点の算出サンプル(Z点を約700点)
まずは、技術職員評点(Z1点)と元請完成工事高評点(Z2点)をそれぞれ算出します。
Z1の素点で700点以上を取るためには、申請工事業種の技術職員点数は16点となります。
(計算式は、63×技術職員点数16点÷5+508=709点)
Z2の素点で700点以上を取るためには、申請工事業種の平均元請完成工事高はおおよそ34,500千円となります。
(計算式は、31×元請完成工事高34,500÷10,000+594=701点)
次いで、技術職員評点の8割と申請工事業種の平均元請完成工事高の2割を足します。
Z1の709点の8割(0.8)とZ2の701点の2割(0.2)を足し、Z点は707点となります。
0.8×Z1が709点+0.2×Z2が701点=707点
主な技術資格の技術職員評点の配点 | 6点加点(監理技術者証を持ち、監理技術者講習を受講) 5点加点(1級施工監理技術者資格者) 4点加点(1級施工管理技士補資格者) 3点加点(登録基幹技能者資格者) 2点加点(2級施工管理技士資格者) 1点加点(10年以上の実務経験者) |
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特定建設業許可を要する元請工事で施工管理を担う「一級施工管理技士資格を持ち有効な監理技術者証を持つ技術者」の点数が最も高くなっています。
術職員数および元請完成工事高評点(Z点)が経営事項審査全体に占めるウェイト
術職員数および元請完成工事高評点(Z点)が経営事項審査全体に占めるウェイトは、25%となっています。
Zの点数が707点の場合は、707×0.25で、総合評定値(P点)構成値は、176点となります。
Zの点数が2,441点(最高点数)の場合は、2,441×0.25で、総合評定値(P点)構成値は、610点となります。
Zの点数が456点(最低点数)の場合は、456×0.25で、総合評定値(P点)構成値は、114点となります。
その他の審査項目(社会性等・W点)
その他の審査項目・社会性等評点(W点)は、建設業者の労働福祉や地域貢献などの社会的責任等を評価する項目です。
まずは、8つの各審査項目(W1・W2・W3・W4・W5・W6・W7・W8)についての点数を算出します。個々の加点項目のうち、主なものは下記でご案内するものになります。
次に、定められている計算式で、その他の審査項目・社会性等評点(W点)を算出します。
その他の審査項目・社会性等評点(W点)=(W1+W2+W3+W4+W5+W6+W7+W8)×規定値10×規定値175÷200
W1労働福祉の状況・若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況・知識及び技術の向上に関する取組の状況・ワークライフバランスに関する取組の状況・建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況
(最大点数は62点で、社会保険への未加入などにより減点となる項目があります。)
建設業退職金共済制度への加入(15点加点) |
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退職一時金制度若しくは企業年金制度の導入(15点加点) |
法定外労働災害補償制度への加入(15点加点) |
建設キャリアアップシステムの導入(10点又は15点の加点) |
W2建設業の営業の状況
(最大点数60点で、状況により減点となる項目があります。)
建設業の営業年数が35年以上(60点加点) |
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建設業の営業年数が20年以上(30点加点) |
建設業の営業年数が10年以上(10点加点) |
W3防災協定締結の有無
(最大点数20点)
防災協定締結が有り(20点加点) |
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W4法令遵守の状況
(最大点数0点、状況により減点となる項目があります。)
法令違反による処分等がない(±0点) |
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法令違反により指示処分を受けた場合(-15点) |
法令違反により営業の全部若しくは一部の停止を命ぜられた場合(-30点) |
W5建設業の経理の状況
(最大点数30点)
1級建設業経理士が1名で、平均完成工事高が1億円以上10億円未満(8点加点) |
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2級建設業経理士が1名で、平均完成工事高が1億円以上10億円未満(6点加点) |
W6研究開発の状況
(最大点数25点)
平均研究開発費の額が1億円以上2億円未満(2点加点) |
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W7建設機械の所有及びリース台数
(最大点数15点)
加点対象の建設機械台数が1台(5点加点) |
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加点対象の建設機械台数が5台(9点加点) |
加点対象の建設機械台数が10台(13点加点) |
W8国又は国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況
(最大点数10点)
エコアクション21の認証(3点加点) |
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ISO9001の認証(5点加点) |
その他の審査項目・社会性等評点(W点)の算出サンプル(W点を700点)
Wの素点で700点(P点の構成値で140点)を取るためには、W1+W2+W3+W4+W5+W6+W7+W8が80点となります。
(計算式は、80×規定値10×既定値175÷200=700点)
その他の審査項目・社会性等評点(W点)が経営事項審査全体に占めるウェイト
その他の審査項目・社会性等評点(W点)が経営事項審査全体に占めるウェイトは、15%となっています。
Wの点数が700点の場合は、707×0.15で、総合評定値(P点)構成値は、105点となります。
Wの点数が2,073点(最高点数)の場合は、2,073×0.15で、総合評定値(P点)構成値は、311点となります。
Wの点数が-1,837点(最低点数)の場合は、-1837×0.15で、総合評定値(P点)構成値は、-276点となります。
経営事項審査において、完成工事高や経営状況は決算期ごとに変動がありますので、経営事項審査の総合評定値(P点)の底上げを目指す場合、審査基準日前にこの審査項目の対策を行うことが肝となります。
経審・入札参加の流れ
審査対象決算期分の事業年度終了届出
まずは、建設業法で届出義務が定められている審査対象年度の事業年度終了届出(決算変更届出)を許可を受けている行政庁(都道府県や国土交通省地方整備局など)へ行います。
当事務所では、事業年度終了届出(決算変更届出)の代理届出を経営事項審査申請までの一連の手続きとして行ております。
工事経歴書の重要性
経営事項審査申請を行う事業者にとって「工事経歴書」は大変重要な書類です。工事実績の内容を正確に工事経歴書に反映することが求められます。
経営事項審査の際には、完成工事高の計上が適切かチェックするため、工事経歴書に記載した工事のうち請負金額が上位の案件についての請負実績資料(工事注文書と工事請書のセットなど)が必要になります。
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経営状況分析結果通知書の交付
審査対象となる決算期の財務状況(建設業様式の財務諸表)について、指定分析機関へ経営状況分析を申請し、経営状況分析結果通知書の交付を受けます。
当事務所では、財務諸表の内容を確定させてから事業年度終了届出(決算変更届出)を行うようにしているため、実際には事業年度終了届出(決算変更届出)行う前に経営状況分析申請を行っております。
当事務所へ経営状況分析申請をご依頼頂く場合は、原則としてワイズ公共データシステム株式会社へ経営状況分析を依頼いたします。
経営事項審査の事前シュミレーション
当事務所では、行政庁への申請を行う前に、経営事項審査のシュミレーションを行い、申請事業者様へ申請パータンを複数ご提案しております。
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許可行政庁への経営事項審査申請
審査対象の決算期分についての、経営規模(X)・技術力(Z)・社会性等(W)の各審査項目と経営状況分析通知書(Y)を申請書式と確認資料に取りまとめて、経営事項審査申請を行います。
経営事項審査の申請ができるのは、建設業許可を受けている工事業種に限られます。
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総合評定値(P点)結果通知書を受領
許可行政庁(県など)へ経営事項審査申請を行ってから約1ヶ月~2カ月程度で、申請事業者へ経営事項審査の結果通知書が届きます。経営事項審査の結果通知書の有効期限は、審査基準日から起算して1年7ヶ月です。
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入札参加資格申請・入札参加資格の取得
入札参加を希望するそれぞれの官公庁が定めている資格審査方法に沿って入札参加資格申請を行ないます。(一般的にはオンライン申請と確認資料の郵送送付により行います)
官公庁によっては、経営事項審査の評価点と官公庁独自の評価で建設業者をランク付けしています。
また、各官公庁それぞれの規定で、優先業種区分の登録や入札参加資格を得てから入札参加できるまでの経過期間が設けられている場合がございます。
入札参加資格の代理申請
当事務所は、国関係等や県・市などの入札参加資格申請を継続的に行っております。
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工事入札に参加し、工事を受注・契約
官公庁が公表する入札公告等の発注工事情報を元に、入札参加に必要な条件に合致し落札を希望する工事の入札に参加します。
落札することができましたら、官公庁との契約手続きを経て工事を施工します。
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審査項目の継続的な取り組みをサポート
経営事項審査は、建設事業者の様々な項目が審査対応となり、毎決算期ごとに審査を受け続ける必要があります。当事務所では、申請事業者様と強みや弱点を分析するとともに、目標とするスコアへの到達や工事受注への取り組みをサポートしております。
経営事項審査の有効期限
結果通知書の有効期限は、審査基準日から1年7ヶ月
経営事項審査で得られた結果通知書の有効期限は、経営事項審査の審査基準日である「直前の決算日」から起算して1年7ヶ月です。
公共工事を請負うことができる期間に空白を作らないためには、結果通知書の有効期限が到来するまでに、次の決算分の経営事項審査を受け、結果通知書の交付を受けておく必要があります。
地域の公共財産を作る建設業者
日本で建設工事によって作られた建築物や工作物の多くは、優良な物だと思います。その背景には建設業に携わる皆様が守るべき建設業法という法規範があり、そこに建設業の制度が定められています。
公金を使い建設工事を行う公共施設などの建築物、さらに上下水道・道路・公園などの社会インフラは、地域全体の基盤となるものです。そうした地域の方々にとって重要な工作物の建設工事は、地域の建設業者だからこそ出来る意義のある仕事です。
当事務所の経審手続き
安心
経営事項審査の手続きについて、自社申請から当事務所への代理申請に切り替えをなさった事業者様では、本来であれば加点できる点についての加点漏れなどの勿体ないことをされていたケースが多々ございました。経審に詳しい行政書士が隅々まで配慮して申請をいたします。
確実
経営事項審査で、希望するスコアの獲得を目指していく場合、どの審査項目での加点を目指すのか取捨選択をして取り組むことが必要になります。経審の手続きは、自社で行うよりも、経審に詳しい行政書士のノウハウを投入していくことが希望スコア獲得への確実な道です。
楽々
経営事項審査は、毎決算期ごとの決算報告(事業年度終了届出)が前提の手続きとなります。事業年度終了届出(決算報告)の提出書類の一つである「工事経歴書」は、当事務所が工事実績資料を調べ上げて作成しています。申請事業者様の手間が省けるだけでなく、適正な完成工事高で経審に臨むことができます。
所在地 | 愛知県名古屋市西区中小田井2丁目255番地ドリームハイツエンデバー2B |
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電話 | 052-908-2417 |
FAX | 052-908-2418 |
所長 | 行政書士 小林大祐 |